ほらあなブログ

ちょっと気になることを調べたり考えたりした記録

小学生の頃クーピーを使わせてもらえなかった

文房具ブームを機に、サクラクレパスのグッズをよく見かけるようになりました。私が一番初めに気付いたサクラクレパスのコラボグッズは、クーピーのクッキーでした。出会いは同人イベントでした。とあるサークルさんのブースで目当ての品を購入後、「よかったらどうぞ」といただいたのがクーピーのクッキーでした。思わず「珍しいですね」と反応し、そこから会話が弾んだ思い出があります。なんでも西日本限定の商品のようで、全国から参加者が集まる同人イベントならではの出会いでした。

 

それからしばらく経ち、書店で手帳のムック本などをチェックしていると、サクラクレパス文具のムック本が並んでいるのが目に入りました。

文房具として展開するのではなく、ポーチや雑貨など小物のデザインとして展開していくのが面白いと感じました。

 

レトロというキーワードが象徴する通り、「うわー懐かしいなあ」という気持ちも想起されます。懐かしいのですが、心の奥底にいたのは悲しい気持ちを抱えている幼少期の私でした。

小学生の頃、クーピーを使わせてもらえませんでした。

入学時に学校から文房具を用意するように言われ、指示の中には色えんぴつもありました。それまで家で使っていたのは、お菓子のかんかんに入った使い古しの短い色えんぴつでした。私は新しく色えんぴつを買ってもらえることになりました。親に買ってもらったのは12色入りの色えんぴつで、怪盗セイントテールのケースでした。(トレーシングペーパーのような薄紙で写し絵をしたのをよく覚えています。)

友達の色えんぴつは私のよりもたくさんの色が入っていました。ケースも私のものよりずいぶん大きく、18色入りの大きさはあったと思います。それは私の知らない色えんぴつでした。友達の色えんぴつは全て芯でできていました。クレヨンに似ているけど、クレヨンよりも細長い形をしています。芯の部分を触ってもクレヨンのように指に色が付きません。

私は友達の色えんぴつを見せてもらい、これはたぶん色えんぴつではないんだろうなと思っていましたが「いいなあ」と羨ましかったです。たくさん色が入っているし、全部芯でできているのでたくさん絵が描けるんだろうなと思いました。

担任の先生は友達の色えんぴつを見て「これは色えんぴつではありません」と言いました。あぁやっぱり色えんぴつではありませんでした。それがクーピーでした。

その後友達はクーピーの替わりに色えんぴつを持ってきたのだったかどうかは覚えていません。ただクーピーを貸してもらうことはなかったことを覚えています。先生は「クーピーは使いにくいから」というようなことを言っていました。へぇーそれならいいやと思い私はクーピーを使わないまま大人になりました。

クーピーを友達から借りてみればよかったし、お小遣いを貯めてクーピーを買ってみればよかったと思います。

今なら当時の担任の先生の気持ちも少しわかります。私は学生の頃教育実習に行ったのですが、クラスで水彩絵の具ではなくアクリル絵の具を持ってきた子どもがいました。小学校高学年になると絵の具の白色だけなくなっただとかこの色だけ残りがないというのがあります。そのときはその子になんと説明したものだろうかと頭を抱えました。「これは中学生になったら使う絵の具なんだ、水の加減が難しいのだ」と教えた記憶がありますが、苦い思い出としてモヤモヤ残っているのでおそらくうまくいかなかったのだと思います。放課後に実習の指導教官に相談したかどうかも覚えていません。ただ、授業中に指導教官にすぐに言えなかったことだけは確かです。