ほらあなブログ

ちょっと気になることを調べたり考えたりした記録

よくばり女子・わがままボディ・わんぱくキッズ

広島県が女性活躍推進事業として発行したハンドブックが、ネットで燃えたらしい。
夕方のテレビのニュースでやっていた。
テレビで取り上げられたわりに、炎上規模としてはそこまで大きいようには思えない。
月末定例記者会見のタイミングが重なり、テレビ映えする映像素材が容易に入手できてしまったためにニュースになったようにも感じられた。

県公式Twitterで広報してしまったために拡散ブーストがかかり、その結果起きた災難ではないかと思う。
検索してみると、広島県は働く女性向けのポータルサイトを整備するなど、その分野に積極的に取り組んでいる印象を受けた。悩み相談のできる掲示板も設置されている。
ハンドブック自体は2020年から存在していたようだ。

「よくばり」というのは確かにファッション雑誌的な俗っぽい表現だと思う。
おそらく、「ガラスの天井を突き破ろう」というメッセージを込めたかったのではないかと推測する。
ポータルサイトを見ていても、どうもキャッチフレーズに模索しているような気配がした。

 

女性にモノを買わせたりサービスを使わせたりしたいときに、「よくばり女子」といったキャッチコピーが使われることがある。あれも欲しいこれも叶えたいという欲求をコピー化することで、「世の中のみんなもこう思っているよ、だから我慢する必要ないんだよ」という囁きで財布のひもを緩めさせる。
類似した表現に「わがままボディ」というものがある。

男性版の「よくばり女子」「わがままボディ」というのはあるのだろうか。
「わんぱくキッズ」ぐらいではないのか。男性は大人になると「よくばり」とか「わがまま」とか言われなくて済んでいるのではないか。
そんな思いを抱えているかもしれない層に「よくばりハンドブック」というのは、酷すぎた。

キャッチコピーや広告から言葉を覚えるのは危険だ。大衆に届く表現を探す前に、まずはたった一人の相手でも構わないので、確実に伝わる日本語を選ぶ経験を重ねていきたい。